2017/09/25[mon] update

【活性の火 '17】フェスレポート

苫小牧のまちに活性の火をともせ!

苫小牧の駅前ゾーンを舞台に、誰でも無料で楽しめるという大盤振る舞いな音楽フェス「活性の火」が8月26、27日の2日間にわたって開かれました。今年も好天に恵まれ、延べ2万5,000人が来場。
駅前通りにはライブを楽しむ人たちが行き交い、中心街は音楽と熱気に包まれました。
若い世代の人たちがまちなかの活性を目指すこのイベントを、応援しているシゴトガイド。
今年も熱い2日間に密着、レポートします。

【開催直前】実行委員長・杉村原生さんに聞く

活性の火’17 実行委員長
杉村 原生(すぎむら げんき)さん(39歳)


苫小牧の駅前通りを拠点とする事業者として、活性化に取り組む若手の第一人者。駅前通りでライブハウス「ELLCUBE」を経営し、自身もプロを目指したことがあるバンドマン。苫小牧出身、苫小牧在住。
実力派アーティスト目白押し!より楽しめるフェスに

活性の火、今年で4回目となりました
名前はずいぶん浸透してきたと思います。今まで出演してくれたアーティストの間でも評判が良いようで、口コミで広がり、出演依頼への反応は良かったです。また、地元の若い人たちにも定着し、活性の火をきっかけに苫小牧を誇りに思う気持ちにつながっていると、SNSなどを通じて実感しています。

今年はどんな目玉がありますか?
今回は赤字覚悟でアーティスト招致に力を入れました。より多くの方に楽しんでもらえるように、ジャンルを広げ、道外出身の知名度の高いバンドも呼んでいます。あと、子ども連れのファミリー層向けに、無料託児所を設けました。昨年に続き、フェス飯グランプリ「活性の胃」もやります。

開催に向けた抱負をお願いします
来場者目標は3万人。地元の人も、外からのお客さんも、思う存分楽しんでください!

【好きです!活性の火】ボランティアスタッフ紹介

活性の火の運営に欠かせないのがボランティアスタッフの皆さん。初回からかかわっているスタッフに、活性の火への思いを語ってもらいました。
グッズ販売 蔵野 未沙紀さん

活性の火は私にとって、苫小牧の1年間で最大のイベント。いろいろなバンドをフェスならではのシチュエーションで見られて、ご飯も食べられるところが気に入っています。音楽が好きですし、人が楽しんでいるのを見るのも好きなので、これからもボランティアとしてかかわっていきたいです。
ドリンク販売 松濱 充さん

普段からバンド活動を通してお世話になっている実行委員長と一緒にこのイベントを盛り上げたいと思い、裏方、そして演者としてかかわってきました。苫小牧といえば「活性の火」と言われる大きなイベントになって、さらには音楽に興味がある人が増えたら良いですね。
総合調整担当 志方 光徳さん

小さいころにお祭りでおみこしを担ぐと、近所の人がお菓子など「お振る舞い」をくれてうれしかったものです。今度は自分たちが大人にやってもらったことを次の世代に継承する番。特に私は駅前で育ったので、思い入れは強いです。この2日間、若い人たちにまちを存分に楽しんでもらえるよう頑張ります。

【1日目 会場レポート】8月26日(土)

活性史上最大のにぎわいと盛り上がり

8月最後の週末、「活性の火'17」を迎えた苫小牧。初回から4年連続の好天だ。少々風はあるが日差しが強く、ドリンクコーナーにはビールを求める人の長い列。前売りした専用駐車場は、予約でほぼ完売し、盛況ぶりが目に見えて分かる。

ステージは昨年と同じく、メインの娯楽場パークをはじめ、アカシア公園、ライブハウスELLCUBE、そして駅前広場の4カ所。経費節減の狙いもあってネット配信された電子パンフレットによると、アカシア公園ステージの午前11時25分が最も早いスタート。開幕が近づくにつれ、足早に会場に向かう人々が増え、駅前通りは既にいつもとは違った表情を見せている。

一方、メイン会場の娯楽場パークにて11時30分ごろ、オープニングセレモニーが始まろうとしていた。先陣を切ったのは勇払郷芸保存会による和太鼓の演奏。勇壮な響きが足元から伝わってくる。続いて、登壇したのは岩倉苫小牧市長と“副市鳥”のとまチョップ。市長が「立ち上げた若い人たちの思いを受け止め、このプロジェクトを育てていただきたい」と来場者の皆さんにあいさつすると、とまチョップもこの日のために用意したという“一緒に楽しみましょうポーズ”を決めて見せた。そして恒例となった杉村実行委員長による活性の火の「点火」で幕開け。メラメラ燃え上がるイミテーションの炎に、会場は笑いと拍手で温かな空気に包まれた。

いよいよステージアクトの始まり。スピーカーからあふれ出る音が、駅前を震わせる。2日間合わせて計90組が出演するバンドは、実行委員会が集客を確信する実力派ぞろいとあって、どの会場もにぎわっている。タイムスケジュールを見ながら4つの会場を渡り歩く人、移動せずに幕間はのんびり過ごす人、音楽を自由なスタイルで楽しめるのがフェスの良いところだ。

日が傾き、気温がグッと下がっても会場の熱は下がらない。メインステージの最後は苫小牧出身のSoftly。地元ファンの温かな声援もあって、持ち前の伸びやかな歌声が駅前に響く。柔らかな残響を耳に心地良く感じながら、初日の会場を後にした。

【2日目 会場レポート】8月27日(日)

まちを変えよう!思いが一つに結集

秋らしい、青く高い空が広がった日曜日。開始時間が近づくとどこからともなく人が集まってきて、否応なしに胸の鼓動が高まる。活性の火2日目のスタートだ。

4つのステージはそれぞれ趣が違う。野外ならではの開放感を味わえるメインステージ、木もれ日の中でピクニック気分のアカシア公園、すし詰め縦ノリのELLCUBE、そして、子どもたちのダンスバトルや吹奏楽もありの駅前広場。気分に合わせてステージ間を歩いて移動する人たちで、駅前に対流が生まれる。

会場をにぎわせるのは若者だけではなく、小さな子ども連れの人も意外と多い。そんなファミリー層にもフェスをゆっくり楽しんでもらおうと、メイン会場の向かい側に今回初めて託児所が設けられていた。評判は上々。遠方のフェスは無理でも、地元なら―というパパやママが増えそうだ。一方で、子育て一段落の世代にもフェス好きは多い。北海道の短い夏を締めくくるこのフェスを、慣れた様子で楽しむかつての若者たち。活性の火が順調に浸透しているのは、こうした幅広い世代にマッチしているからかもしれない。

大トリは今年もお馴染み、苫小牧出身のInbiZiBuru。渾身のパフォーマンスを締めくくるMCで、ボーカルの中原さんが聴衆に呼び掛ける。「ボランティアスタッフと実行委員のみんながなぜこんなことをやるかといったら、本気でこのまちを変えたいと思っているから。“活性の火最高だった”って拡散してくれるだけで、活性の火がどんどん広まって大きなフェスになる。どうかみんなのその力、おれたちと苫小牧の活性の火に貸してくれませんか!」。夜空の下の会場いっぱいに拍手が沸き起こる。もうそこは単なるライブ会場ではない。苫小牧の将来への願いが一つになった。

最後は恒例のコール&レスポンス、「活性の?」(杉村さん)「火!」(会場)。あっという間に過ぎた2日間、苫小牧の熱い夏が終わった。

活性の火'17 フォトギャラリー

【2日間を終えて】活性の火'17を振り返ってー杉村実行委員長

4回目をどう評価しますか?
来場者数は2万5千人で、昨年の2万1千人を上回ったものの、目標の3万人は達成できず、思い描くような結果ではありませんでした。スタンディングスペースが満杯になるのが理想ですから、あと一歩というのが率直な評価です。

年々盛り上がっている印象です
開催から4回を数え、一定の結果は出せていると思います。今年は会場からの人の流れを見て、来場者数の伸びを実感できました。ぼくらが行動をとることで駅前に人が集まり、若者が苫小牧を誇りに思うきっかけを作れたと思います。また、今回は本州から呼んだバンドが多く、彼らから「楽しい」「素晴らしいフェス」という声が聞けてうれしかったです。

反省点はありますか?
ボランティアのみんなには前々日から本番翌日までの5日間、とてもハードに働いてもらい、とても感謝しています。ただ、イベントが大きくなるにつれ、ボランティアの負担が大きくなってきているのも確かです。まちが変わればそういった彼らの努力も報われますが、今後も活性の火を続けるために、この輪をもっと広げてより多くの方々を巻き込めるフェス運営を実践していきたいと思います。

来年に向けて抱負をお願いします
無料でやり続けるために、今後の運営をどうするかが最大のネックになってきます。このイベントは民間、個人ベースで行っているものなので、これからは行政や商店街にも本気になってかかわってもらいたいです。来年は5回目の節目ですが、十年、二十年続けることを視野に入れているので、まだまだこれから。子どもたちにどういうまちを残したいのかを、行政や商店街、そして市民に広く問い掛けていきたいと思います。

また来年を楽しみにしています。
ありがとうございました。