2018/09/24[mon] update

【活性の火'18】フェスレポート

雨にも風にも負けず
駅前が音楽に燃えた熱い2日間

人気のインディーズバンドが苫小牧に集結する入場無料の音楽フェス「活性の火’18」が8月最後の週末、苫小牧の王子娯楽場パークをメイン会場に開かれた。
駅前ゾーンにかつてのにぎわいを取り戻すことを目的に毎年開かれ、今年で5回目を迎えたフェスを、シゴトガイドは協賛企業として応援。悪天候にも屈せず、多くの聴衆でにぎわった2日間をレポートする。

【開催直前】実行委員長・杉村原生さんに聞く

活性の火’18 実行委員長
杉村原生(すぎむらげんき)さん(40歳)
苫小牧の駅前通りを拠点とする事業者として、活性化に取り組む若手の第一人者。駅前通りでライブハウス「ELLCUBE」を経営し、自身もプロを目指したことがあるバンドマン。苫小牧出身、苫小牧在住。
中心街の空気感が楽しめるフェスを

まず昨年を振り返っていかがでしたか?
昨年は過去最多の演者を呼びましたが、思ったほど集客が伸びませんでした。ただ、リピーターは確実に獲得できていて、フェスに対する一定の評価は得ていると思っています。また、来場者の半数以上は札幌からなので、もっと地元の人にたくさん来てもらう工夫が必要ですね。

今回の新たな取り組みは?
実行委員会の人数を倍以上に増やし、作業を分散して細かく手を入れることができる体制を整えました。昨年の反省を踏まえ、演者はオーディション合格者を含め昨年の95組から76組に厳選。一方で、飲食部門「フェスめし」は、関わる人を増やそうと繁華街に広く声を掛け、22店舗に拡大しています。

今年の目標は?
数字の目標はありますが、お客様と実行委員一人ひとりが楽しめるかどうかが大切。普段は駐車場のスペースが会場になるフェスの空気感を楽しんでもらいたいです。

会場の人に聞きました!『活性、ここがいいよね!』インタビュー

邦友さん
苫小牧から5回目の参加
フェスが好きであちこち行きますが、地元苫小牧で無料なのが気に入って毎年来ています。来年は天気が良いといいですね。
香奈さん
旭川から3回目の参加
いっぱいバンドが出ているし、メジャーなインディーズも出演していて、それを苫小牧でやってるのがすごいと思います。
幸子さん
旭川から2回目の参加
今日はあいにくのお天気だけど、飲んだり食べたりしながら楽しく騒いでいます。無料なのに大がかりなステージで、すごく気持ち良いですよ。
貴弘さん
札幌から初参加
出演者も一緒に街を盛り上げようという気持ちが伝わってきて、すごくいいイベントだと思います。来年も絶対来ます!
凱さん
札幌から初参加
JRで2日間とも来ています。雨なんか関係なく楽しめました!平和な雰囲気がいいですね。
大樹さん
苫小牧から初参加
姉が出ているので妻と娘を連れて初めて来ました。もともと音楽が好きだし、たくさん人が集まっていて楽しいですね。来年もまた来ます!
るみ子さん
札幌から5回目の参加
好きなバンドが出ているし、他にも見たいバンドがたくさんあって泊まりがけで来てます。入場無料の分、ホッキカレーとかおいしいものを食べて少しでも活性化に貢献します!

【1日目/8月25日(土)】台風にも消えない活性の火

苫小牧の夏を締めくくるフェスとして定着してきた「活性の火」。これまで大きな天候の崩れは免れてきたが、今回は台風の影響による雨風は避けられず、運営スタッフは前日深夜、そして当日早朝から万全の設営に追われた。
関係者の心配をよそに、開会前から続々と人が集まり始める。リハーサルが始まると、既にステージ前は大盛り上がりだ。会場の熱気にせかされるように、正午前にメインステージで開会式が開かれ、杉村実行委員長が「苫小牧の中心街に活性の火を灯すまで、こんな程度の雨では僕たちの思いは消えません!」と強く訴え、開会を宣言。間髪入れず、サブステージでのパフォーマンスがスタートし、聴衆は待ちかねた様子でステージ前に駆け寄った。
例年、聴衆の空腹を満たしてきた飲食ブース“活性の胃”。今回はワンコイン、グランプリ方式を廃止し、メニューがより充実している。あいにくの雨だが、昼時とあって多くの人たちが各店自慢の味を楽しんでいるようだ。強弱をつけながら降ったり止んだりする雨を苦にもせず、聴衆は自由にステージを楽しむ。
しかし、午後になって雨足が弱まる一方で風が強さを増し、実行委員会は決断を迫られていた。「このまま安全にフェスを続けられるのか」。ついに、全プログラムをエルキューブステージに移すことに決めたのは午後4時。風速10メートルに迫る強い風に、苦渋の選択だった。午後5時にはメーン会場を撤収し、聴衆はエルキューブへ。小さなライブハウスには収まりきれず、通りは店からあふれた若者たちで終演までにぎわっていた。

【2日目/8月26日(日)】来年も、そして10年、20年後も

前日の雨雲を熱気で吹き飛ばし、青空が広がった2日目。メイン会場の2ステージはもちろん、緑に囲まれたアカシアステージにも人が集まり始める。どのバンドも渾身のパフォーマンスを見せ、MCでは活性の火を絶賛。「この火を消すな!」と声を振り絞ると、聴衆も歓声を上げ、こぶしを突き上げて応える。ステージと聴衆が一体となる。
会場には小さな子どもを連れた親子連れからお年寄りまで、本当に幅広い層の人たちが訪れ、ステージ前で踊る人、ビールを片手に少し離れた場所で静かに耳を傾ける人、テーブルに座ってのんびりする人、それぞれ好きな形でステージを楽しんでいる。
日が落ちて夜の闇が街を包む頃、トリを務める地元出身のNOT WONK(ノット ウォンク)が登場。激しいロックからメロディアスなナンバーまでを披露し、聴衆の興奮は最高潮に。MCでは「苫小牧にいても日本で一番カッコイイロックバンドのライブを見られるならそれでいいんじゃないか。(中略)カッコイイものは残っていく」と、今後も活性の火が続くようエールを送った。
すべての演奏が終了し、実行委員会を代表して杉村委員長が関係者へのお礼の言葉を述べ「10年、20年続けることで少しずつ街が変わっていく。どうか我々に来年も再来年も続けさせてほしい。これからも活性の火を応援してください。また来年、苫小牧駅前でお待ちしています!」と呼び掛けると、会場からも「ありがとう!」という声が掛かる。秋の訪れを感じさせる風の吹く会場は、温かな空気に包まれ、5年目の活性の火は幕を下ろした。

活性の火'18 フォトギャラリー

室工大オリファーステージでは幕間に吹き込んだ雨を必死で掻き出すボランティアの姿が
シゴトガイドは、間伐材を使ったわりばしを出店業者に提供し、環境保全への理解と協力を呼び掛けた
初登場のアート部門では秋田出身のアーティスト「ケイソウル ヤン」さんが即興で創作。来場者もひと筆参加し、一体感を味わう
会場では来年の開催の一助とするため、ボランティアによる募金活動も展開
今回もボランティアによる託児コーナーが設けられ、小さい子連れのパパ・ママも思いっきりステージを満喫

5年目の活性の火を終えて

まずは、悪天候にもかかわらず、無事に開催できて良かったです。昨年並みの来場があり、中心街を活性化しようというメッセージは、出演者やライブを通してお客さまにしっかり伝わったと思います。6回目となる来年は、前向きな意味で原点に立ち返り、この5年間で蓄積した経験を生かし、再スタートの年として新しい活性の火をお届けしますので、楽しみにしていてください。
杉村実行委員長